面接で「弊社」と言い間違えたら不合格?合否への影響と挽回術
面接という極度の緊張状態において、志望企業を指してうっかり「弊社(へいしゃ)」と口にしてしまい、その瞬間に頭が真っ白になった経験を持つ求職者は少なくありません。特に新卒の就職活動や、日頃から自社を「弊社」と呼び慣れている転職活動者の間では、面接での言葉遣いに関する不安が常に渦巻いています。
SNSやネット掲示板では「弊社と言った時点で即お祈り確定」「マナー違反で減点される」といった極端な言説も見受けられます。しかし、実際の採用現場において、単なる言い間違いが合否にどれほどの影響を与えるのでしょうか。採用市場の最新動向や現場の面接官への取材データに基づき、噂の真相と適切なリカバリー手順を解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:面接中に「弊社」と言い間違えたこと単体で不採用になる可能性は極めて低く、合否を分けるのはその後の対応力である。
- 要点2:話し言葉では「御社」、書き言葉では「貴社」、現職を指す際は「現職」または「現職の会社」と使い分けるのが基本マナーである。
- 要点3:言い間違いに気づいたら、慌てず「失礼いたしました。御社では……」と即座に訂正して本題を続ける姿勢が評価につながる。
【合否の真相】面接で「弊社」と言い間違えると即不合格になるのか?
結論から言えば、面接で「弊社」と一度言い間違えただけで即座に不合格判定が下るケースはほぼ皆無です。採用担当者が選考において最も注視しているのは、候補者の論理的思考力、企業文化へのマッチ度、入社後の再現性、そして志望動機の強さであり、些細な言い間違いそのものが選考基準の最優先事項になることはありません。
就職支援機関や採用コンサルティング各社が実施した面接官アンケート調査でも、「軽微な敬語の誤用や言い間違いを理由に不合格にしたことがあるか」という問いに対し、9割以上の面接官が「それだけでは落とさない」と回答しています。面接官自身も、応募者が過度なプレッシャーの中で話していることを十分に理解しています。
ただし、注意すべきは「言い間違いそのもの」ではなく、「言い間違えた後の応募者の挙動」です。ミスを気にするあまり発言が支離滅裂になったり、あからさまに意気消沈して声が小さくなったりすると、「プレッシャーへの耐性が低い」「突発的なミスに対するリカバリー能力に課題がある」と判断され、評価を下げる要因になり得ます。

【徹底比較】「御社・貴社・弊社・当社」の正しい使い分けルール
ビジネスシーンにおける企業呼称は、相手の企業を指すのか、自社を指すのか、また「口頭(話し言葉)」なのか「文面(書き言葉)」なのかによって明確に区分されます。混乱を避けるため、それぞれの定義と面接における位置づけを整理しました。
| 呼称 | 指す対象・性質 | 正しい使用場面 | 面接での重要度・評価への影響 |
|---|---|---|---|
| 御社(おんしゃ) | 相手企業への敬称(話し言葉) | 対面・オンライン面接、電話口での会話 | 面接中の基本表現。終始一貫して使えることが望ましい。 |
| 貴社(きしゃ) | 相手企業への敬称(書き言葉) | 履歴書、職務経歴書、エントリーシート、メール | 面接で口頭発声しても減点対象にはなりにくいが、文章では必須。 |
| 弊社(へいしゃ) | 自社をへりくだって呼ぶ謙譲表現 | 社外の顧客・取引先との商談や連絡 | 志望先に対して使うのは誤用。口にした場合は即座の訂正が推奨。 |
| 当社(とうしゃ) | 自社を指す丁寧な表現(対等・社内向け) | 社内会議、方針発表、公のプレスリリースなど | 面接官側が自社を指して使う場面が多い。応募者が使う頻度は低い。 |
就職活動中の学生が志望動機を語る際、「貴社(きしゃ)」と「御社(おんしゃ)」が混同されるケースも多々あります。同音異義語の多い日本語において、「きしゃ」は「記者」「汽車」「帰社」などと聞き取りにくいため、口頭では「御社」を用いるのが商習慣上のスタンダードです。
面接官が「弊社」と呼ぶ理由と転職希望者が注意すべき呼称
面接を受けている最中、面接官が自社のことを「弊社ではこのような事業を行っておりまして」と説明する場面によく遭遇します。これは面接官が外部の求職者に対して自社をへりくだって表現しているため、ビジネスマナーとして完全に正しい用法です。
このとき、面接官の「弊社」という単語に引っ張られ、応募者側も無意識に「弊社の社風に惹かれ……」とオウム返ししてしまう心理的現象(ミラーリング)が多発します。相手の言葉に釣られてしまうのは人間の自然な反射ですが、意識的な切り替えが必要です。
また、転職面接(中途採用)において現職・前職の話題を出す際の呼称にも注意を払う必要があります。転職者が現職の業務内容や実績を語る際、面接官に対して「現職の会社」を指す表現としては以下の選択肢があります。
- 「現職では」「前職では」: 最も自然で誤解が生じにくい表現。
- 「現在の会社では」「前職の会社では」: 丁寧で聞き取りやすく、誤用のリスクがない。
- 「弊社」: 社外の相手に対して自社を語る表現として間違いではないが、志望先と混同しやすいため「現職の弊社」など補足がないと聞き手を混乱させる恐れがある。
面接という場においては、主語の混乱を避けるためにも「現職」「前職」という言葉を主軸に据えるのが最も確実です。
【実態検証】「就活で弊社と言ってしまった」生の声と選考への影響
SNSや就活コミュニティの投稿を分析すると、毎年多くの選考参加者が呼称のミスによる強い後悔を吐露しています。
「最終面接で熱弁している最中に『弊社の理念に共感し』と言ってしまい、終わった後で涙が出た」という学生の声や、「転職面接で現職の癖が出て、第一志望の面接官に向かって『弊社が第一志望です』と言い放ってしまった」という転職者の体験談が散見されます。
しかし、そうした告白の追跡投稿を確認すると、「無事に内定通知をもらえた」「最終選考を通過した」という報告が多数を占めているのが現実です。選考を通過した人たちの行動には、共通する特徴が見られます。
- ミスをした直後に「失礼いたしました、御社です」と1秒で訂正し、笑顔で話を続けた。
- 言い間違いに動揺せず、用意してきた自己PRや志望理由の要点を論理的に伝えきった。
- 面接官から「弊社って言っちゃったね」と軽くツッコミが入った際、「大変失礼いたしました。緊張のあまり口が滑ってしまいました」と素直に認めて場の空気を和ませた。
現場の面接官がマイナス評価を下すのは、「言い間違えた事実」ではなく、「ミスを指摘されたときに不貞腐れる」「過剰に取り乱してその後の受け答えが成立しなくなる」といった情緒不安定さやコミュニケーションの破綻に対してです。
咄嗟のミスを好印象に変える「言い間違えた時の対処法」3ステップ
もし面接本番で「弊社」と口にしてしまった場合、どのように挽回すべきでしょうか。ビジネスコミュニケーションの観点から、最もスマートな対処法は以下の3ステップです。
ステップ1:言い間違いに気づいた瞬間に短く謝罪する
口から出た直後に気づいた場合は、決して話を濁してごまかそうとせず、その場ですぐに訂正を入れます。長々と釈明する必要はありません。「失礼いたしました」の一言で十分です。
ステップ2:正しい呼称に置き換えて発言を再開する
「失礼いたしました。御社の〇〇事業において……」と、正しい表現に言い換えてそのまま会話の続きを話します。このとき、過度に恐縮したり頭を下げすぎたりせず、目線を面接官の目に戻して落ち着いたトーンを保つことが肝要です。
ステップ3:面接終了後のメールで蒸し返さない
面接中にうまく訂正できなかった場合でも、お礼メールなどで「本日の面接で弊社と言い間違えてしまい申し訳ありませんでした」と書くのは避けるべきです。面接官が気にも留めていなかった些細なミスをわざわざ記録に残すことになり、かえって自信のなさや神経質すぎる性格を印象づけてしまいます。

【プロの結論】採用担当者が見ている言葉遣いマナーの本質と判断基準
就職・転職活動における敬語マナーは、単なる減点方式のテストではありません。ビジネスパーソンとしてクライアントや同僚と円滑に意思疎通が図れるかという「実務上の安心感」を測るための指標です。
面接で特に間違えやすい敬語表現のチェックリスト
呼称のミス以外にも、面接の現場で求職者が無意識に使ってしまいがちな誤用表現が存在します。日頃から以下の表現に注意を払っておくことで、面接全体の言葉遣いのクオリティを高めることができます。
- × 了解しました → ○ かしこまりました / 承知いたしました(「了解」は同僚や目下の相手に使う表現)
- × ご苦労様です → ○ お疲れ様です(目上の相手に対する労いの言葉としては不適切)
- × 私(わたくし)的には → ○ 私個人といたしましては / 私の考えでは(口語的な表現を避ける)
- × 拝見させていただきます → ○ 拝見いたします / 拝見しました(過剰な二重敬語)
- × おっしゃられた通り → ○ おっしゃった通り(「おっしゃる」自体が尊敬語のため「られる」は重複)
選考で重視される「心理的レジリエンス」の観点
ビジネスの現場では、予期せぬトラブルや失言、クライアントからの厳しい指摘など、想定外の事態が日常的に発生します。現代の企業が求める人材像において重視されるのは、「ミスを絶対に犯さない完璧な人間」ではなく、「ミスが発生した際に事実を素直に受け止め、即座に適切な行動でリカバーできる自立した人材」です。
面接で言い間違いをしてしまった瞬間は、ある意味であなたの「トラブル対応力」「素直さ」「心理的レジリエンス(回復力)」を面接官に見せる絶好の機会でもあります。小さな言葉の綾に過剰に囚われることなく、自分がその企業で何を成し遂げたいのかという本来の情熱を伝えることに意識を集中させましょう。
【面接 弊社】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:面接で志望企業を「弊社」と言ってしまいました。後から合否判定を覆すような挽回メールを送るべきですか?
A1:後からメールで言い間違いについて謝罪する必要はありません。面接官は前後の文脈や受け答え全体を評価しているため、メールで蒸し返すと「細部にこだわりすぎて大局が見えない」という印象を与える恐れがあります。次回以降の面接で落ち着いて正しい呼称を使えるよう準備を進めてください。
Q2:転職面接で、現職のことを話すときは「弊社」と「当社」のどちらが適切ですか?
A2:社外の面接官に対して現職の会社を指す場合、へりくだる意味で「弊社」を使うこと自体は文法上誤りではありません。ただし、志望先と混同しやすいため、面接の場では「現職」「前職」「現在勤務している会社」といった主語を用いるのが最も明瞭で誤解を防げます。
Q3:面接中に「御社」と言うべきところを「貴社」と口頭で言ってしまいました。減点されますか?
A3:「貴社」は本来書き言葉ですが、面接で口頭発声したからといって減点されることはまずありません。意味は完全に通じており、敬意も示されているため、面接官が不快感を抱く心配はありません。気づいた場合も過剰に焦る必要はなく、以降の発言で自然に「御社」へ戻せば問題ありません。
まとめ:些細な言い間違いに惑わされず本来の魅力を伝えるために
面接における「弊社」という言い間違いは、極度の緊張や熱意の表れとして多くの面接官に寛容に受け止められています。選考の成否を決めるのは、完璧な言葉遣いのトレースではなく、企業に対する理解の深さや入社後の活躍イメージをどれだけ具体的に伝えられるかという本質的な中身です。
もし本番で言い間違えてしまったときは、深呼吸をひとつ挟み、「失礼いたしました、御社では」と冷静に訂正して本題へと戻りましょう。その落ち着いたリカバリーの姿勢こそが、ビジネスパーソンとしての高い適性と精神的な成熟度を面接官に強く印象づけるはずです。 (出典: 面接 弊社(Yahoo!ニュース))